教育の特色
心の教育
それは、一人一人を、名前をもったかけがえのない人格として愛し、子どもの可能性を信じ、伸ばしていこうとする保育であり、良心を育て、善悪の基準を神の掟に置き、しつけに留意する保育でもあります。
全てのことに神の善きはからいをみた、ナミュールノートルダム会創立者マザージュリーの建学の精神を生かす保育を目指しています。それは、子どもたちと笑顔で接し、神のやさしさを伝えていこうとする保育です。
幼児は本来、生活においてまた精神的な面において、自らが自立しようとしています。しかしこの自立は、決して独りよがりな個人主義でなく、周りをいつも見据えた社会性をも同時に含んでいます。本当の自立とは自己の確立と社会性の両輪(自分と周り)が、バランスよく育つことなのです。そしてこのバランスを保つために大切なのが「心の教育」です。昨今の痛ましい事件は、社会的レベルでの「心の教育」の欠如、または希薄さにあるのではないかと思います。キリスト教を教育の基盤に置く本園では、次の3つの柱を基本に「心の教育」を大きな命題として取り組んで来ています。
あなたは大切な存在である
キリスト教では、神の似姿として作られたと考えられている人間の中でもとりわけ子どもにその尊厳を強調しています。園児は幼稚園の一員として愛に守られて安心して生活をしていると感じます。
友達を大切にする心
自分が大切にされている(愛されている)という実感の下、友達も大切にする(愛する)ように指導しています。これは将来いじめを許さないカとなり、人のために働くボランティアヘも通じてきます。
困難を乗り越える心
些細なトラブルや喧嘩は幼児世界につきもの。「友達を大切にする心」を前提に、仲直りや許し合いという体験が生まれてきます。トラブルは自立するチャンスです。喧嘩をしてももうおしまいではなく、仲直りが出来るんだという経験をさせたいと思います。また、他者とのかかわりのみならず、一人の人間としてどんな困難にあってもよき神に信頼を置き、それを乗り越えていく強い心を育みます。
モンテッソーリ教育
子どもの中に本来ある「自ら成長していく力」を尊重
心の教育を具現化するために、本園では創立以来モンテッソーリ教育を取り入れています。
子どもの中に本来ある自ら成長していく力を尊重し、個人差を考慮に入れた教育です。
子どもはふさわしい環境が備えられれば、幼いながらひとりの人格として自ら成長していく力を持っています。
園では整った環境のもと、子ども一人ひとりに応じた個人作業を通して、自立心、独立心集中力に特徴づけられる性格形成を目指します。
理 念 | 子どもはふさわしい環境が備えられれば、幼いながら一人格として、自ら成長していく力をもっている、という信念に基づいて教育が行われます。 |
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教 師 | 子どもの発達を促す環境を準備することにより、子どもの中にある自己教育の可能性を開花させる役を果します。 |
環 境 | 保育室には、子どもサイズにあった適当な教具、家具が準備され、子どもたちは、そこで、人間は環境の主人であることを体得します。 日常生活練習、感覚活動、数、言語、音楽、科学への導入等の諸領域にわたって、子どもの精神、身体的発達を促します。 |
モンテッソーリ教育の特長
自 由
子どもは教具を自由に選び、責任をもって作業し、かたづけることから、真の自由とは選ぶ自由であり、責任を伴うことを理解していきます。
集中力
モンテッソーリ教具は、はっきりした目的を持つ教具なので、興味とともに集中力が育ちます。
独立心
自分にできることを自分でするので、独立心、自立心が養われます。
個人の尊重
個人の作業を大切にするので、個人差が考慮され、自分のペースで作業を完成させるようにしています。他人との比較でなく、自分の能力に自信をもつようになります。
ホームクラスが異年齢縦割り保育
身近の年長者、年少者とともにする生活の中で、 子どもから子どもへと、文化が受け継がれます モンテッソーリが提唱する縦割りは、人社会の自然な姿です。
クラスは年長児・年中児・ 年少児による縦割りクラスで、子どもたちは能力の違い、体力の違い、体の大小など、 年齢の異なる様々な子どもと出会い、人とのかかわりを学んでいきます。
異年齢が共に 生活することによって、年長者は年少者をいたわり、導き、年少者は年長者という指標 を間近に見ながらまなび、模倣し、近づこうと努力し、尊敬するようになります。
子ど もたちは互いの価値を日常生活の中で相互に感じ取り、愛といつくしみに育まれた共 同体が生まれます。
同年齢児横割りの活動
体育・音楽・絵・造形など同年齢の友達と一緒に活動する時間があります。
これによって切磋琢磨をし、建設的な話し合いをし、ダイナミックな活動や同年齢の友達とかかわることの喜びを味わいます。
充実したモンテッソーリ教具
やりたい時が伸びる時。
年長者のお仕事を見て、「やりたい!」が膨らみます。
1870 年に生まれたイタリアの医学博士マリア モンテッソーリ女史は、子どもをしっかり観察して大きな発見をしました。
それは子どもの 「自分がひとりでするから手伝って」ほしいと思っている強い要求でした。 これをメソードの形にしたのがモンテッソーリ教育です。
水注ぎ
小さなガラス容器に入った色水を、もう一方の容器に移す。目と手の協応動作を使って注意深く注ぎ、最後の一滴の水が落ちる様子まで楽しむ。ガラスだからこそ丁寧に扱おうとする心が働く。
赤と青の数棒
「1」を示す『数棒』を当て、棒の長さと数字カードを照合して『数字』をつかんでいく。1から10までの数の各々の量(長さ)とその名称が結びついていき、数に関心を深めるきっかけになる。
ピンクタワー
一つ一つ大きさの違う木製の10個の同色の立方体で、積み上げると、高さ・幅・奥行きの変化が視覚的にわかる。感覚教具は子どもに識別させたい1つだけの性質が強調されていて子どもの集中がその一点のみに集中されるよう工夫されている。
幾何立体
物には形があることを視覚と触角を統合しながら分類していく。そしてそれぞれの形に名称があることを学び理解する。『感覚』が知的発達の土台になることを示す好例だ。
かなくら
書く教具として50音の文字プレートを正しく並べて、身近なものの名前を定着させていく。濁音や半濁音、促音など特徴にも触れて言葉への関心を深め、文章作りにまで進んでいく。
地球儀と世界地図
陸の部分に砂が付いている「陸と海の地球儀」は、感触で地球が陸と海とでできていること、「色地球儀」は地球が五大陸に分かれていることがわかる。「世界地図パズル」では感触で大陸の形を認識し、大陸の名前や特徴を知りながら世界への興味を深めていく。地理の活動をまず世界から進めていく。